こんにちは。たのきちです。今日は、奄美大島の大島紬についてご紹介します。
大島紬が世界三大織物ということや、奄美発祥というのは聞いたことあるけど実際にはよく知らない・・・。ということで、奄美大島に行ってきました!!(※2017年10月頃に行きました)
Thank you for coming my first article.Today’s theme is ”Oshima Tsumugi .”
I’d heard it …it’s the three greatest textiles of the world , it’s made in Amami-oshima island. but I didn’t know the details about Oshima Tsumugi.So I want to see and check it with my own eye’s!!!(I went to Amami island)
東洋のガラパゴスと言われる奄美大島。(ひぇ〜、めちゃくちゃ海綺麗・・・)
大島紬についてざっくりまとめるとこんな感じ。
- 読み方:大島紬
- 発祥地:奄美大島 (鹿児島県)沖縄じゃないよ!
- 素材 :絹100%(シルク)
- 染め方:先染め
- 原料 :車輪梅など
- 織り方:平織り&手織り
- How to read : Ohshima Tsumugi
- Birth place: Amami Oshima(Kagoshima prefecture)it’s not Okinawa!
- Material(fabric): Silk 100%
- Dyeing method : Yarn dyeing
- Material(dying): Sharinbai(Wheel plum) etc.
- Weave: Plain weave
大島紬の特徴
大島紬の一番の特徴は、織る前に糸を染める「先染め」です。先に完成形の絵柄を決めておいて、それに合うように糸を先に染めておくのです。染められた糸の点と点が重なりあって柄が出来上がっていきます。一般的な織物は1度しか織らないのに対し、大島紬は先染めをするために1度織り、染めた後にまた織るため2度織る工程があります。ちなみに、後染めっていうのは布地を織った後に色をつける方法です。
Dyeing the threads before they’re woven is one of the features of Oshima Tsumugi.
At first, decide the rendering pattern ,and dye the yarn according to it.By the way ,dyeing the threads after weave fabric is the piece dyeing.
Dyed threads are woven so that they overlap each dots. And then OSHIMA-TSUMUGI’S pattern is completed.
大島紬の主な製造工程はこちら!ででん!!
- 締機 ・・・絹糸に絞りを入れる。
- 車輪梅染め・・・車輪梅の木から抽出した染料で絹糸を染める。
- 泥染 ・・・車輪梅で染めた絹糸を泥田に付けて黒く染める。
- 捺染 ・・・泥染で染めていない部分に色をつけていく。
- 手機・・・染めた糸を織り上げていく。
それぞれの行程に専門の職人さんがいて、完全分業で作られます。
では、主要な工程の説明をしていきますよ〜
1.締機(しめばた)で絹糸に絞りを入れる
⭐︎糸を染めるための事前準備の工程です。あらかじめ、糸のこの部分は染める・染めないというように、染めたい部分・染めたくない部分を決めて木綿糸で織っていきます。この作業は絞りを入れると言ったり、絣り(かすり)を入れると言ったりします。この工程は糸をきつめに織る必要があるため、基本的に男性が行います。
実際の様子はこのような感じです。↓
2.車輪梅染め・泥染を繰り返して染色していく
⭐︎糸を染める工程です。まず、車輪梅(シャリンバイ)の木から抽出した液を使って、しめばた工程で絞りを入れた糸を染めていきます。つぎに、車輪梅で染めた糸を、泥田で染めていきます。泥に含まれる鉄分がタンニンと反応して黒く染まっていくのです。ここで糸自体にも強度が増していきます。化学反応を利用して染めているんですね〜(^^)
→「車輪梅染め20回+泥染1回」の工程を4回くり返すことで、深みのある黒色に染まっていきます。 車輪梅染は奄美の方言で「テーチ木染め」と呼ばれます。
実際に私も車輪梅染めと泥染を体験してきました。
3.泥染の後、絞りを入れていた糸を職人さんがほどく
泥染で黒く染まった生地ですが、ここで最初に絞りを入れるために織った糸を部分的にほどいていきます。ほどくと泥染で染まってない部分が出現します。
4.白い部分に捺染し色を入れていく。
糸を外した後の白い部分に完成イメージに合わせて色を入れていきます。この作業を捺染(なっせん)といいます。
→ここでようやく織るための糸が出来上がります!!
実際に染められた糸はこんな感じです☝️(黒いところが泥染で染まった部分)
触らせてもらったら、ふわふわしっとりと柔らかい手触りでした。
5.車輪梅・泥染・捺染で染色された糸を織り機にセットして織る。
いよいよ 織りの段階に入ります。織機に染めた糸をセットすると、この段階で柄がはっきりわかりますね。これが先染めの特徴です。縦糸と横糸の柄がずれないように数センチ織っては整えるを繰り返すのです。丁寧につむいで作られる緻密な織物ですね。
大島紬の種類
大島紬には大きく分けて4つの種類があります。
・泥大島 伝統的な大島紬で、車輪梅染めと泥染で染められた糸で織られます。
・藍大島 藍染めと泥染で染められた糸で織られます。
・色大島 泥染と現代的な色彩を組み合わせた糸で織られます。
・白大島 白い泥を使って染められた糸で織られます。絣の部分の模様には化学染料が使われることもあります。
その他、車輪梅以外の草木で染められた草木泥染など、様々な大島紬があります。
こちらは泥藍大島。泥染と藍染をかけあわせた糸を使っておられます。
黒と藍の組み合わせもシックで綺麗ですね。
続いて、こちらは白大島です。
泥は泥でも白泥を使って染めています。
やわらかみのある白大島は爽やかで素敵ですね。
これが本場大島紬の証「地球印」!!
本場大島紬の定義は、こちらの通りです。
この条件を満たした大島紬のみ、本場大島紬と認められます。
・絹100%であること
・先染め、手織りであること
・平織りであること
・しめばた工程で、たて、よこ絣の加工をしたもの
・手織りで、たて、よこ絣を合わせて織りあげたもの
本場大島紬には、1反ごとに金茶色の「地球印」が織り込まれています。
そして、横には朱色で「本場奄美大島」の文字が織り込まれています。
さらに製品検査をクリアしたものには「本場大島紬共同組合が発行する証紙」が貼られます。
「地球印」は、大島紬を世界に通用する織物にしたいという願いが込められて誕生したとのことです。ちなみに鹿児島産大島紬には、日本国旗の印の証紙が使われています。
奄美発祥の大島紬ですが、現在は織工(おりこう)さんの高齢化が進み、生産量も年々減少しています。全盛期は28万反あったものが、今では5000反ほどまで減少しています。
緻密で、そして、職人さんの技術の結晶である大島紬がこの先も継承されていってほしいですね。